【医師監修】授乳中のインフルエンザに関する疑問を解説!

現在授乳中の方で、

「インフルエンザワクチンは打っても大丈夫なの?」
「インフルエンザに感染したら、薬って飲んで大丈夫なの?」
「インフルエンザに感染したら授乳はしないほうがいいの?」

と心配に思っている方はいらっしゃいませんか?

授乳中は、ワクチンやお薬が母乳を飲んだ赤ちゃんに影響しないか心配になりますよね。

今年も、インフルエンザが流行する時期になってきました。
注意していても感染してしまうインフルエンザ。体調悪化により育児や家事ができなくなり、急に様々な調整が必要になります。

今回の記事は、「授乳中のインフルエンザワクチン」と「インフルエンザに感染した時の対応」について徹底解説していきます!

一般的な「インフルエンザについて」「インフルエンザの予防方法」について知りたい方は、こちらの妊娠中のインフルエンザ予防・ワクチンについて解説の記事をご覧ください。

妊娠中のインフルエンザ予防・ワクチンについて解説【医師監修】

 

監修医師:新百合ケ丘総合病院
不妊専門医 原周一郎  

授乳中にインフルインフルエンザワクチンは接種していいの?

授乳中でもインフルエンザワクチンの接種はできます。

国立成育医療センターの授乳中のお薬Q&Aでは

インフルエンザワクチンは不活化ワクチンで、ワクチンの成分による感染をおこすことはなく、授乳中に不活化ワクチンを接種しても赤ちゃんに悪い影響をあたえることはありません。
むしろ、授乳中はお母さんのインフルエンザ感染を予防することが大切であり、予防接種を受けることが勧められます。

引用元;https://www.ncchd.go.jp/kusuri/lactation/qa_junyu.html

と記載されています。

授乳中に抗インフルエンザ薬は内服していいの?

授乳中でも抗インフルエンザ薬は内服できます。

抗インフルエンザウイルス薬は、薬剤添付文書には授乳を避けさせるとの記載がありますが、
国立成育医療センターの授乳中のお薬Q&Aでは

タミフル®に関しては母乳移行量を調べて、非常に少なかったと報告されています。授乳中の使用が問題になる可能性は低いと考えられます。
リレンザ®・イナビル®はいずれも母乳移行量を調べた報告はありませんが、もともとお母さんの血液中にほとんど検出されないので、授乳中の使用は問題にならないと考えられます。
ただし、授乳中の接触による赤ちゃんのインフルエンザ感染については注意が必要です。

引用元;https://www.ncchd.go.jp/kusuri/lactation/qa_junyu.html

と記載されています。

授乳は継続できるの?

育児中のインフルエンザは、想像以上に大変です。薬を処方してもらうところは必ずしも産婦人科ではないことから、授乳の相談ができない場合があり悩まれる方もいらっしゃると思います。
マスク、手洗いなどで赤ちゃんに感染しないよう注意しながら、授乳の継続はできます

しかし、体調悪化によって授乳が難しい場合には、無理はせずに授乳はおやすみしましょう。
授乳をおやすみする場合は、次の二つに注意しましょう。

赤ちゃんへのミルク哺乳

母乳の変わりに、家族の方からミルクを補足してもらいましょう。
完全母乳であった場合や、どのくらいミルクをあげればいいかわからない場合は、ミルク缶に書いてある1回量や回数を参考にしましょう。
また、完全母乳であった場合、「哺乳瓶から飲んでくれない」という場合があります。
月齢が浅くストローが使えない場合には、カップやスプーン授乳ができます。
焦らず、少量づつ口の中に入れてあげましょう。

乳腺炎の注意〜自分で搾乳する方法〜

授乳をお休みする場合には、おっぱいトラブルにならないために搾乳が必要になります。

【搾乳の方法】

手順1
乳輪部分に親指と人差指を置きます。

乳頭を挟み込むような位置に指を当てます。時計で表すと、0時と6時、3時と9時方向など対角線上に指を置きます。
残り3本の指は乳房に優しく沿わせます。

手順2

タオルやガーゼなどに出すといいでしょう。
自分の身体の方向へ親指と人差し指を押し、そのまま指の腹を合わせるのがポイントです!

完了!

以上で搾乳の手順は終了です!

【搾乳の程度】
「張っていて苦しかったのが楽になった」を目安にしましょう。母乳が出なくなるまで搾乳しすぎると、さらにおっぱいが張ってくる場合があります。

【搾乳の頻度】
3〜4時間が理想的です。
体調により3〜4時間毎にできない場合は、おっぱいがパンパンで「熱くなってきた」「苦しくなってきた」ら、母乳がたまっているサインです。このようなサインがあれば、楽な姿勢でいいので搾乳をしましょう。

【おっぱいが痛くなったら】
乳腺炎(乳房の症状にくわえ熱など全身症状が出るもの)になりそうな症状は、
部分的に以下のものがあります。

  • 赤くなっている
  • 痛みがある
  • しこりがある
  • 熱を持っている

出産した施設の母乳外来や、近くの母乳外来へ相談しましょう。インフルエンザの症状がある場合はすぐに受診できない場合があります。

赤ちゃんにインフルエンザをうつさないために

赤ちゃんもインフルエンザにかかってしまうことがあります。
赤ちゃんにインフルエンザをうつさないために、次のことに気をつけましょう。

  •  赤ちゃんに触れる前には必ず、石鹸を使ってしっかりと手を洗いましょう。
  • 不織布性マスクをつけて授乳をしましょう。
  • 感染予防は、インフルエンザの症状が出た後 7 日目まで続けましょう。

まとめ

いかがだったでしょうか。

授乳中でも、「インフルエンザワクチンは接種できる」「抗インフルエンザ薬は内服できる」ということがわかっていれば、少し安心できると思います。

インフルエンザにかかっても、お母さんの体調が大丈夫であれば授乳も継続できます。

寒い時期は風邪にもかかりやすくなりますので、無理しすぎず体調管理もしっかりできるといいですね。

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