妊娠の仕組みについて現役助産師が解説【排卵・受精・着床まで】

「妊娠について知りたい!」
「妊娠するとどんな症状が出るの?」
と、妊娠の仕組みについて知りたい方のために、現役助産師の視点から、エビデンス(科学的根拠)を元に解説していきます!

今回は、以下の3つについて詳しく解説していきます!

  • その1 妊娠の仕組み
  • その2 妊娠の検査方法
  • その3 妊娠検査薬で陽性と出たら

記事監修:新百合ケ丘総合病院

不妊専門医 原周一郎

その1 妊娠の仕組みとは?

妊娠の仕組みについて

1
卵巣から卵子が「排卵」されます
排卵とは?
卵巣の中で、無数の卵子は排卵される日を待っています。生理が終わると幾つかの卵胞が成熟し始めますが、その中から選ばれた1つの卵胞が18-22mm位に成熟し、卵子が排出されます。この現象を「排卵」といいます。 無症状の人もいれば、排卵痛や排卵出血などの症状が出る方もいます。
生理周期が28日の人であれば、排卵日は生理が始まった日を1日目とし、14日目に起こると考えられます。
2
卵子と精子が卵管で出会い「受精」し受精卵となります
受精とは?
精子は、膣・子宮を通過し、卵管で卵子と出会います。精子と卵子が合体・融合して受精卵が生じる現象を「受精」といいます。 精子の女性体内での寿命は48〜72時間といわれます。
3
受精卵は、卵管から子宮へ移動し、子宮内膜に「着床」します
着床とは?
受精卵は細胞分裂を繰り返しながら卵管内を子宮に向かって移動します。子宮に到達した受精卵が、子宮内膜に接着、埋没することを「着床」といいます。 月経終了後から、卵胞ホルモン(エストロゲン)によって子宮内膜が厚みを増し、排卵後、黄体ホルモン(プロゲステロン)によって着床しやすい状態になっています。 受精後、5日ほどで子宮へ移動します。6~7日頃から着床が始まり、12日頃に完了します。
4
妊娠の成立!
このようにして、妊娠が無事成立します。

妊娠しやすい時期とは?

「排卵前2〜3日」が最も妊娠しやすい性交の時期といえます。

妊娠には、卵子と精子が出会うタイミングがとても大切です。排卵された卵子の寿命が6〜24時間、女性体内での精子の寿命が48〜72時間といわれています。

☆現役助産師☆なっちゃん

排卵日や排卵の有無は、「基礎体温」「排卵検査薬」「婦人科での超音波検査」で知ることができます。生理周期が安定している人は生理用アプリを使用してみるのも良いでしょう!

排卵日についてもっと詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

【妊活】助産師が伝えたい!妊娠率UP・妊娠しやすい身体づくり

その2 妊娠の検査方法

妊娠の検査方法と検査時期とは?

「妊娠かも?」と思ったら、妊娠検査薬を使い自分で簡単に確認ができます。

妊娠検査薬には、「生理予定日タイプ」と、「生理予定日1週間後タイプ」の2種類があります。
説明書をよく読んで使用しましょう。

検査薬は、妊娠した時に分泌されるhCGというホルモン尿中に含まれているかどうかを検出する試薬です。hCGとは、受精卵の着床後、徐々に分泌され、生理予定日を過ぎた頃に急激に増加します。

妊娠検査薬は、制度は高いものの補助的な試薬ですので、妊娠を確定するためには産婦人科での診察を受けましょう。

☆現役助産師☆なっちゃん

検査薬は、ドラックストアやコンビニで購入できます。検査薬が陰性であっても、生理周期の変動などで検査時期が早すぎると陰性になる場合があります!1週間後に再検査してみましょう。

月経不順の方の場合、妊娠検査薬を使うタイミングが難しいと思います。ベストなタイミングは、性交渉から3週間後です。「生理予定日1週間後タイプ」を使用しましょう。

その3 妊娠検査薬で陽性と出たら

妊娠初期の症状とは?

月経周期が順調であった女性が、月経の予定日を過ぎても次の月経が来ない場合は、妊娠の可能性があると考えられます。 月経がなくなることは妊娠以外の原因でも起こりますが、妊娠している場合には、それに加え次の症状があることが多いです。

  • 胸が張る
  • 体が熱っぽい
  • 眠気がある
  • お腹が張る
  • 吐き気や嘔吐がある(つわり症状)

☆現役助産師☆なっちゃん

症状には個人差がありますので、体調の変化を感じない方もいます。

何に気をつければいいの?

妊娠初期は、胎児にとって大事な身体の部分が作られる時期です。

下記に記載してあるものに気をつけるようにしましょう!

●タバコ

すぐにやめましょう!副流煙にも注意が必要です。

●アルコール

すぐに止めましょう!陽性とわかる前に飲んでいても焦らず、わかってから気をつけましょう。

●お薬

産婦人科で内服を続けていいお薬であるか、相談をしましょう。

持病(膠原病、喘息、心疾患、高血圧、精神疾患など)があり、常用してるお薬がある場合は、妊娠中でも中断できない事があります。自分の判断で中止せず、早めに産婦人科を受診しましょう。

いつ受診したらいいの?

妊娠検査薬で陽性の反応が出た場合や、上記のような症状がある場合は、産婦人科を受診して診察してもらいましょう。

☆現役助産師☆なっちゃん

最初の診断は、産科のない婦人科のクリニックでも受けられます! 性器出血や下腹部痛がある場合は、早めの受診をお勧めします。

まとめ

いかがだったでしょうか?
妊娠の成立、検査方法や妊娠初期の症状についてご理解いただけましたか?

以下の記事では妊活について解説してあります。妊活を考えられている方は、ぜひご覧ください。

【妊活】助産師が伝えたい!妊娠率UP・妊娠しやすい身体づくり