今回は、子どもがご飯を食べない時の対策を、現役保育士が解説していきます!
子どもが健やかに育つために
「しっかりと栄養をとってほしい」
と色々な手を尽くしても、お子さまがご飯を食べなくて困ったことはありませんか?
「食べてもらえない不安を解消させたい・・・!」
と考えるおうちのお方に向けて、年齢別に原因と対策のご提案をしていきます。
保育士ふーみん
ぴょんた
目次
離乳食期の子どもの場合
子どもは生後5か月ごろから離乳食をスタートします。1歳6か月ごろまでが離乳食期です。
はじめのうちはすんなり食べてくれていても、段階が進むにつれて食材も増え好き嫌いが出てきたり、食べたり食べなかったり日によって違いが出てきます。
食べない理由としては、以下の原因があります。
- 硬さ・大きさが均一でない(急に変化があった)
- 味に飽きてしまう
- 遊び食べをしてしまう
一つずつ解説していきます!
硬さが均一ではない
離乳食時には、ドロドロの状態でないと嫌がって食べてくれなかったり、硬さが同じでないと食べることを嫌がる場合があります。
対処法は?
離乳食の固さが均等でない場合は、やわらかさの調節をしましょう。
スプーンを変えると食べてくれる場合もあります。
野菜は硬さがまばらになりやすいので注意が必要です。
調理のしやすいメニュー
- おかゆ
- パンがゆ
☆調理のコツ
7~8ヶ月ごろはヨーグルト(トロトロ)、8〜9ヶ月ごろは豆腐(舌で潰せる)、9~11ヶ月ごろはバナナ(歯茎で潰せる)くらいのやわらかさが目安の基準です。
とろみをつけたり、汁を多めにすると食べやすくなります。
ベビーフードの「とろみの素」などを混ぜてみることをお勧めします。
味に飽きてしまう
離乳食はレシピを考えることも作ることも一苦労ですよね!
しかし、味が単調だと飽きてしまうということも原因の1つです。
苦労は増えてしまいますが、おうちの方が味付けを変えたり市販のものに頼るなど調理法を変え様子を見てみましょう。
保育士ふーみん
対処法は?
離乳食が進んできて、味に慣れてしまって飽きているのが原因の場合があります。
調理方法を変えてみたり、組み合わせたり変化をつけてみましょう。
盛り付け方法やお皿をいつもと変えてみることも方法の1つです。
味に変化をつけるポイント
オススメの調理方法
調理のコツはこちら
ミキサーやブレンダーで均等な大きさにする
裏ごし器を使う
すり鉢で少量を均等にする
遊び食べをしている
心も発達していて、些細なことで気が散って機嫌を損ねたり、遊びだしてしまったりする場合もあります。
赤ちゃんの向いている方向におもちゃが無いか、見えるところに動く物が無いか確認してみましょう!
遊び食べをなくすポイント
ポイント
- テレビを消す
- 近くにおもちゃを置かない
- 見えるところに動くものを置かない
☆ゆっくり食事ができる環境を整えよう
気が散ったり、興味のあるものが見えると食事をしたくなくなります。
テレビを消したり、子どもが向く方向に気の散ってしまう物が無いか確認してみましょう。
ポイントまとめ
離乳食の時期は
- 硬さと大きさを均等にする
- 調理方法や味を飽きないようにする
- 遊び食べをしない環境を作る
ということが大切だと解説してきました。
まだ赤ちゃんのこの時期は、食事も気分次第で食べたり食べなかったりします。
好き嫌いだと思い過ぎず、食べなかったものでも間をあけて出してみましょう!
成長することで味覚は変わってくることもあります。
2歳~3歳の子がご飯を食べてくれない場合は?
2歳ころになると、離乳食を終えて幼児食に移行していきます。
大人と同じ調理法でも食べられるようになり、
おうちの方にとって、調理法が楽になってくるかと思います。
しかしその反面、イヤイヤ期と重なり食事を食べさせるのも一苦労という時期でもありますよね・・・!
食べない理由としては、以下の原因があります。
- 大きさがその子に合わない
- 好き嫌いが出てくる
- 間食の量が多い
一つずつ解説していきます!
大きさがその子に合わない
子どもがご飯を食べないとき、「食べづらい形や大きさだから食べたくない」という原因があります。
しかし、子どもはそれを言葉で表現することができず、「食べない」という態度で表現することがあります。
気持ちを汲み取るのは難しいことですが、以下のことを試してみてください。
対処法は?
一口の量を大きさをお子さまに合わせて食材を切ると、食べやすくなり、
食べてくれる場合があります。
以下のポイントに注意して、お料理ごとに一口の量と大きさを確認してみましょう!
- 一口の大きさに分ける
- 一口の量をスプーンに乗せる
- 麺など食べにくいものは切る
- スプーンとフォークをあらかじめ食卓に出す
好き嫌いが出てくる
成長することで味覚も発達していきます。
色々な食材に触れるようになり、自我も出てくるので「好き嫌い」を主張するようになりますよね!
対処方は?
嫌いなものは無理に食べなくて大丈夫です!
同じ栄養素を含む違う食材を食べられるようにしてみましょう。
また、初めて食べる料理は戸惑いから「嫌い」と食べないこともあります。
初めて食べるものは一口挑戦してみると良いでしょう!
☆食材の調理のポイント
1度食べなかったとしても、調理の方法を変えてたびたび試してみると、食べられる時もでてきます。
一口を食べてもらえるように苦手そうなものは下のように工夫してみるとよいでしょう!
- 細かく刻み好きな食べ物(お肉・お魚・小麦粉など)に混ぜ込む
- 汁物に混ぜる
- ごはんに混ぜて混ぜご飯やふりかけにする
- 好きな食材と合わせて炒める
間食の量が多い
1回に食べる量が少ない子ほど間食の量を増やす場合がお多いかと思います。
1日の食事量を確認してみましょう!
対策法は?
全体の食事量が多い場合があります。
間食の量が多いと言う理由もあるので確認してみましょう!
また、運動不足になっていることがご飯を食べない原因という場合もあります。
散歩に出てみたり、夢中になって体を動かせる遊具のある公園に行ってみましょう!
☆回数と量はどれくらい?
おやつを与える回数は1~2歳児は午前(朝食と昼食の間)と午後(昼食と夕食の間)の1日2回までです。
3~5歳児は午後(昼食と夕食の間)1回与えましょう。
量は間食全体で1~2歳児は100~180kcal、3~5歳児は140~240kcalです。
1日の摂取カロリー目安は3~5歳の男の子は1300kcal、女の子は1250kcalですので
間食を除いた食事の摂取カロリーは男の子は1110kcal、女の子は1070kcalほどですね!
ポイントまとめ
2〜3歳の時期は
- 一口の大きさと量を調整する
- 食事量と間食の量を調整する
- 違う食材で同じ栄養素を補う(または工夫する)
ということが大切だと解説してきました。
この時期は料理のお手伝いをすることで食事へ興味を持つようになる時期でもあります。
簡単な調理を手伝ってもらう(子どもは自分で作った実感)があると「食べたい気持ち」もむくむくと出てきます。
ぜひ一緒に作る時間を持ってみるといいかもしれません。
4・5歳以上の子どもがご飯を食べない
このころになると、多くの食品を食べられるようになり1回の食事で食べられる量も増えてきます。
好き嫌いが主な原因
この時期は好き嫌いが主な原因であることが多いです。
一時的なものなので、あまり気にしすぎなくて大丈夫です。
好き嫌いは個人差がありますが、大きくなるにつれて味覚が変わります。
食べられるようになった時に
「今食べたら美味しいかも!?」
と挑戦したいと思えるように、食事の時間を楽しいものと思えるよう継続して楽しい雰囲気作りをすることが必要です。
対処方法は?
好き嫌いに関しては、引き続き嫌いなものは無理に食べさせなくても大丈夫です。
他の食材で栄養素を補いましょう!
また、子どももお腹がすけばある程度は食べられます。
無理に食べさせようとせず、子どもに任せてみるのも1つの方法です。
保育士ふーみん
「甘いものが食べたい!」
→タンパク質不足(大豆製品や鳥のササミがおすすめ)
「酸っぱいものが食べたい!」
→体が疲れている(梅干し・柑橘系・黒酢がおすすめ)
「しょっぱいものが食べたい!」
→ミネラル不足(魚介類・海藻類・ナッツや大豆がおすすめ)
ポイントまとめ
まだまだこの時期は無理に食べさせようとせず、他の食材で栄養素を補おうということを解説しました。
バランスよく、残さず食べられるようになるのは先になると捉えていきましょう!
食べられなくても、楽しい食事の時間にすることが心と体の成長につながります。
小食の場合ってどうすればいい?
子どもが小食で食べる量が少ないと
「将来大きくなるか、病気がちにならないか」
と心配になりますよね。
対処法は?
食べる量は個人差がありますし、子どもの気分にもよります。
1日で食べられなくても2~3日だったり、1週間での合計で目安のエネルギーをとっていくと捉えてみましょう!(3歳児が1日に必要なエネルギーは、男児で1300kcal、女児で1250kcalです)。
お家で食べなくても、幼稚園や保育園で補うことももちろんできます。
食べる量が少なく発育曲線の月齢の枠を下回っていても、増えていれば問題はなく様子を見ていきましょう。
お子さまがご飯を食べず、成長が横ばいのままの状態が続いたら一度小児科を受診しましょう。
保育士ふーみん
・お皿に盛る量を減らし食べられた満足感を感じられるようにすること
・少なめに盛り付けて出しおかわりしてもらうこと
これらの方法にチャレンジしてみましょう!
偏食の場合はどうすればいい?
多くの子どもが野菜の好き嫌いがあると言われております。
子どもは大人が感じにくい苦味や渋みなども敏感に感じます。
食べられるものが少なすぎるといった極端な偏食の場合は、小児科で相談してみましょう。
偏食の対応方法
食べられない食材があった場合、同じ栄養素の含まれる他の食材で栄養を補いましょう。
とっても大切なのは「なんで〇〇を食べないの!」
と苦手なものに対して声をかけないことです。
「苦手意識を持たせないこと」を心がけていきましょう。
参考 食の問題行動母子健康協会おうちの方のお悩みをケース別にご紹介
最後に、実際のお悩みをケースごとにみていきましょう!
プレッシャーを与えてしまう・・・
そしたら、ご飯を口に入れただけで「オエッ」となったり、咳き込んだり。
どうしたらいいのかわかりません・・・
おうちの方
保育士ふーみん
ですが、食べないことに怒ってしまうと、「食べない→怒る→ますます食べれない」という負の連鎖になってしまいます。
まずはお子さまが好きなものを中心としたメニューにしてみましょう。
最初は栄養を考えず、食べること自体ができたら⭕️!
お腹が空いたら食べたくなるものですので、3食決まった時間にと考えすぎずトライしてみましょう!
ぴょんた
主食しか食べない・・・
おうちの方
保育士ふーみん
感覚過敏なお子さまはお米しか食べないということもあるようです。
消費カロリーが摂取カロリーに追いつかなくなる場面が必ず来るので、その時になると少しずつ食べるのではないかと考えています。
小学生になると運動量が特に多くなり変化が見られる子が多いです。
ぴょんた
成長曲線を下回っている・・・
おうちの方
保育士ふーみん
身長とのバランスも大事だと思います。
バランスが取れていれば、あとは成長がゆっくりな遺伝だという場合もあります。
運動量が増えたり、消化器官が強くなってくると少しずつ
「お腹が空いた分食べよう」
という気持ちが湧いてくるようになります。
ぴょんた
まとめ
いかがでしたでしょうか。
おうちの方もお子さまも苦労する
「食べ物が食べられない問題」
を解説してきました。
何か試したことのない方法や考え方が見つかると幸いです。
となりのおかんの相談でも、このようなお悩みを受け付けていますので気軽にご相談くださいね!