今回の記事は子どもの離乳食の進め方についての記事です。
赤ちゃんの発達、成長に合わせてステップアップしていく離乳食の進め方はとっても難しいですよね。
「ゴックン期ってなに?!」
「モグモグ期って?」
と、離乳食の子育て用語があり、不安に感じている方が多くいらっしゃいます。
今回は、現役保育士が離乳食の進め方について詳しく解説していきます。
それではみていきましょう!
目次
離乳食4つの段階とステップアップの目安を知ろう!
離乳食とは、赤ちゃんに対して栄養源を母乳やミルクから切り替えるための食品のことを言います。
一般的には、半年から1年をかけてステップアップしていきます。
理由としては、食べ物を噛む力、消化吸収する力に加えて、お子さまの成長していくペースに合わせてステップアップしていくからです。
赤ちゃんの発達に合わせて離乳食のステップアップをみてみると
- 「ゴックン期」
- 「モグモグ期」
- 「カミカミ期」
- 「パクパク期」
こちらの4つの段階があります。
1つ1つの時期を詳しく説明していきます。
ゴックン期ってどんな時期?
まずは1ステップ目であるゴックン期(5〜6ヶ月ごろ)について説明していきます。
ゴックン期とは、離乳食の1ステップ目、離乳食になれる時期のことを言います。
「ゴックンすることに慣れよう!」という時期です。
離乳食を始めるタイミングとしては、赤ちゃんの機嫌がいい日を選びましょう。
赤ちゃんにとっても人生で初めて口にするものには抵抗があったり、食感に驚きを感じたりしてしまいますよね!
そういった理由で、授乳のうち1回を離乳食に変えてみることから始めます。
1つの食品に3日かけてじっくりと慣れていき、1日1回から1日2回の離乳食へ回数を増やしていくのがゴックン期です。
お家の方も、焦らず見守る時期となりますね!
2回に離乳食が増えた状態のことを、保育園やおうちの方の間では2回食(にかいしょく)と呼ばれています。
食事の回数増やし方 タイムスケジュール例はこちら
保育士ふーみん
びっくりして口から出してしまうことがありますが、スプーンで受け止めてだんだんと唾液と混ざると飲み込みやすくなります。
慣れていくにも個人差があるので、じっくり向き合っていけるといいなと思っています!
「慣れてきたな!」と感じたらスケジュール例をもとに2回食に挑戦してみましょう。
ゴックン期に入るタイミングは?
ゴックン期として離乳食をスタートさせるタイミングはだいたい生後5~6ヶ月です。
遅くてもミルクだけでは栄養不足が心配があるため、生後6ヶ月には始めるようにしましょう。
他には以下の様子が見られた時がタイミングです。
- 首がすわった
- 支えればおすわりができる
- 舌が前後にしか動かない
- 歯はまだほとんど生えていない
- 大人が食べているのをみて食べたそうにしている
食べて良いものと悪いものは?
離乳食を初めて気をつけなければいけないことはアレルギーの有無です。
食べてみて初めてわかることもあるので、赤ちゃんの様子をしっかりとみて離乳食をあげましょう。
- 米がゆ
- 小麦類のパン(6ヶ月からok)
- 柔らかく潰せる野菜ならなんでも大丈夫
- 豆腐や鯛、固茹での卵黄を1さじからならok
食べてはいけないもの
- 乳製品
- お肉
- 納豆
ミルクと離乳食の栄養のバランス目安は?
ゴックン期は離乳食に慣れるための時期です。
まだまだミルクや母乳の方が多いです。
しかし、どのくらいの量や栄養調整をすればいいのか難しいですよね!
割合としては以下を参考にしてみてください。
ほとんどがミルクや母乳が主な栄養源です。
この時期はちょっと練習で食べられたらokという状態から徐々に食べ物から栄養を摂れるようになることが大事ですので、絶対にミルク:離乳食=9:1、ミルク:離乳食=8:2でなくてはいけないなんてことでもありません。
このくらいかな?という目安として捉えてみてくださいね!
ゴックン期の最終ゴール量はこちら
エネルギー源食品(おかゆなど) | 30g |
ビタミンミネラル源食品(野菜や果物) | 15g |
タンパク質源食品(豆腐や白身魚) | 5〜10g |
離乳食スタート時の量の増やし方は?
離乳食の量をどのように増やしていけば良いのかということも悩みの種かと思います。
そんなスタートの頃の進め方について例をご紹介します。
最初はエネルギー源の食品から
離乳食ははじめにエネルギー源の食品からスタートします。
エネルギー源の食品とは、
- お米
- パン
- うどんなどの麺類
- じゃがいもなどの芋類
とはいえ、今まで液体のミルクやお水からしか栄養をとっていない赤ちゃんですので、固形だと消化不良を起こしてしまいます。
そう言った理由で、離乳食初期の目安は、固形ではなくトロトロ状の食品にしましょう。
保育士ふーみん
ぜひ試してみてくださいね!
スケジュール例はこちら
(スプーン1つの表記・・・計量スプーン小さじ1の分量)
・はじめは消化しやすい食品にする
・食品に工夫を加える
・1つの食品でも、最低3日かけて食べ進める(食べ進めて変わりがなかったことを確認してから違う食品にチャレンジ)
・6日間継続した後量を少しずつ増やしていく
次にビタミン・ミネラル源の食品に挑戦
続いてビタミン・ミネラル源食品に挑戦です。
はじめに挑戦したエネルギー源の食品に慣れてきて、ビタミン・ミネラル源食品にチャレンジできそうであれば食品を増やしていきましょう。
エネルギー源に加えてビタミン・ミネラル源食品も6日目から始めていきます。
- 野菜
- 果物
- 豆類
- 肉類
- 魚類
- 海藻
- 乳製品
しかし、エネルギー源と同じように、消化のいいものを選ぶ必要(消化がしやすいように工夫する必要)があります。
まずは繊維の少ない野菜から始めましょう。
例えば人参や大根、かぼちゃ、かぶ、ブロッコリー、ほうれん草がこれに当たります。
これらの野菜を裏ごししてとろとろの状態にしてから食べられるようにしましょう。
赤ちゃんが食べる量は、最終的に15g~20g程度を目安にしてください。
赤ちゃんによっても食べられる量に差があるので、厳密に考えなくて大丈夫です。
エネルギー源の食品も変わらず、6日間継続した後量を少しずつ増やしていきましょう!
スケジュール例はこちら
・繊維の少ない人参や大根、かぼちゃ、かぶ、ブロッコリー、ほうれん草(1食品ずつ最終的に15g~20g程度の量)
・裏ごししてとろとろの状態にする
・1つの食品でも、最低3日かけて食べ進める(食べ進めて変わりがなかったことを確認してから違う食品にチャレンジ)
・6日間継続した後量を少しずつ増やしていく
最後にタンパク質源食品に挑戦
最後にタンパク質源の食品に挑戦です。
タンパク質の源食品も他の食品と同じように量を少しずつ増やしていきます。
離乳食初期は豆腐や白身魚がオススメです。
この2つの食品に慣れてきたら、卵(黄身)、赤身魚、卵(白身)、鶏ささみ、鶏むね肉、青背魚、鶏もも肉、牛肉、豚肉と様々な食品にチャレンジしてみましょう。
この様に、だんだんと食品を増やしてから次の食品を加えていくことが鍵です。
・豆腐や白身魚がおすすめ
・裏ごししてとろとろの状態にする
・6日間継続した後量を少しずつ増やしていく
離乳食 量の増やし方まとめ
離乳食の進め方まとめはこちらです。
ぜひやってみてくださいね!
モグモグ期ってどんな時期?
モグモグ期(7ヶ月〜8ヶ月ごろ)とは1日2回の離乳食で食生活のリズムを掴んでいく時期のことを言います。
1日2日の離乳食に慣れてきたらゴックン期は終了で、次のモグモグ期にステップアップしていきます。
モグモグ期では、出来るだけ離乳食を決まった時間に食べられるように心がけましょう。
しかし、無理やり食べさせるのではなくて、お腹が空いた→食べるという認識で進めていくということで大丈夫です!
モグモグ期では、タンパク質源の栄養を増やしていく時期でもあります。
1食の量に注意しながらも色々な食材が食べられるように心がけていきましょう!
赤ちゃんの口の中の変化としては、舌が前後の他に上下にも動かせるようになります。
それに伴って、そのままでは飲み込めないかたまりを下で潰して食べられるようになっていきます。
少しなら味付けも可能ですが、塩分は1食あたり0.1以下のごく少量にし、素材の味を楽しめるようにしましょう。
食事の回数増やし方 タイムスケジュールはこちら
6:00 | 🍼 |
10:00 | 🍼+離乳食 |
13:00 | なし |
14:00 | 🍼+離乳食 |
18:00 | 🍼 |
22:00 | 🍼 |
保育士ふーみん
早く食べさせたい気持ちから、次の一口を早めにお口に運んでしまいそうになるかもしれませんが、そうすると赤ちゃんは丸呑みの習慣が身についてしまうことも!
ゴックンをしてから次の一口を赤ちゃんのお口に持っていくようにすると良さそうです。
モグモグ期に入るタイミングは?
モグモグ期へステップアップできるようになる目安は生後7~8ヶ月となります。
食べられたと思ったらまた食べれなくなってしまった、ということを繰り返すのが離乳食あるあるですので気を張りすぎなくて大丈夫です。
お子さまの様子をみながら進めていきましょうね!
そのほかの目安は以下です。
- おすわりができている
- 舌が前後だけでなく上下にも動いている
- ベタベタした離乳食を口をモゴモゴして食べることができる
- 主食・野菜・たんぱく質のおかずを合わせて子ども茶碗半分を1日の間に食べることができる
- 1日2回の離乳食を機嫌よく食べられる
食べて良いものと悪いものは?
食べてみて初めてわかることもあるので、赤ちゃんの様子をしっかりとみて離乳食をあげましょう。
食べて良いもの、まだダメなものはこちら!
- エネルギー源はお米、パンに加えて麺もok
- 赤身のお魚(マグロ・カツオなど)もok
- 乳製品や鶏のささみ肉、納豆も解禁
- 加熱した卵は卵黄1個〜全卵の3分の1までok
食べてはいけないもの
- 青背魚
- 豚肉
- 牛肉
ミルクと離乳食の栄養のバランスの目安ってどうなるの?
ミルクと離乳食の栄養バランスの目安は以下です。
モグモグ期は食事量を全体的に増やしていく時期でもあります。
母乳は欲しがるだけあげて大丈夫です。
ミルクは1日5回を目安にあげましょう!
モグモグ期の1日あたりの目安とは?
モグモグ期の1日あたりの目安はこちらです!
とはいえ、赤ちゃんの欲しがるだけ与えても大丈夫です。
3つの栄養源をバランスよく摂れるようにということを意識して離乳食の時間を過ごしてみましょう。
エネルギー源食品 | 穀物の場合 | 全がゆ50〜80g |
ビタミン・ミネラル源食品 | 野菜・果物の場合 | 20〜30g |
タンパク質源食品 | 魚・野菜の場合 | 10〜15g |
豆腐の場合 | 30〜40g | |
卵ならの場合 | 加熱した卵黄1個〜全卵の3分の1 | |
乳製品の場合 | 50〜70g |
カミカミ期ってどんな時期?
離乳食の3ステップ目、カミカミ期(9ヶ月〜11ヶ月ごろ)について説明していきます。
カミカミは離乳食が赤ちゃんの栄養のメインになっていく時期です。
いよいよ離乳食を3回にしていきましょう。
この頃になると好き・嫌いの悩みも増えてくるかと思います。
この頃の「嫌い!」という表現のほとんどは、食べにくさを「嫌い」と感じていることが多いです。
赤ちゃんにとって、匂いのきつそうな食材は細かくみじん切りにしてみたり、とろみをつけてみたりと、調理に工夫を入れrてみましょう。
全く食べないからと落ち込まなくて大丈夫です!
どうしても苦手な食材は、ぜひ同じ栄養素が含まれている他の食材で補ってみましょう!
手掴み食べも始まり、赤ちゃんは手や指も徐々に発達していきます。
離乳食のお皿に手を入れてぐるぐるかき混ぜるなんてことも・・・!
食べ物の硬さや、温度を確認しているのですね。
パパさんママさんはちょっぴり大変な時期ではありますが、これも赤ちゃんが順調に成長している証拠でもあります。
椅子の下にシートを敷くなどで対応してみましょう。
また、手で掴みやすいメニューを取り入れることも大切です。
卵焼きやパンなど、簡単なもので大丈夫です!
ぜひ取り入れてみてくださいね。
タイムスケジュール例はこちら
6:00 | 🍼 |
10:00 | 🍼+離乳食 |
13:00 | なし |
14:00 | 🍼+離乳食 |
18:00 | 🍼 |
22:00 | 🍼 |
保育士ふーみん
母乳が大好きな赤ちゃんは特に鉄欠乏性貧血に陥りやすいので注意が必要です。
赤ちゃんの貧血は脳の発達に関わってくるので、大豆、卵、緑黄色野菜、赤身のお肉やお魚などを積極的に取り入れましょうね!
カミカミ期に入るタイミングは?
カミカミ期へ入る目安は9~11ヶ月です。
そのほかの目安はこちら!
- はいはいやつかまり立ちができる
- 手でわしづかみをしようとする
- 舌が前後と上下に加えて左右にも動くようになる
食べて良いものと悪いものは?
カミカミ期に食べて良いもの、食べてはいけないものはこちらです。
食べて良いものはこちら!
- これまでの食材
- アジなどの青背魚
- 牛肉
- 豚肉
食べてはいけないものはこちら!
- フライ(揚げ物は素揚げのみにしましょう)
- 天ぷら
この頃には、お口周りの筋肉が発達して潰す力は弱いものの、大人と同じかみかたになっていきます。
離乳食の硬さは、指で潰せるバナナくらいが理想です!
食材を5㎜角や薄切りに柔らかくしましょう。
ミルクと離乳食の栄養のバランス目安ってどうなるの?
カミカミ期は離乳食を増やしていく時期ですが、まだミルクや母乳も欲しがります!
割合としては以下を参考にしてみてくださいね。
カミカミ期の1日あたりの目安とは?
カミカミ期の1日あたりの目安はこちらです。
エネルギー源食品、ビタミン・ミネラル源食品、タンパク質源食品の3つの栄養群がメニューに入るように心がけましょう!
エネルギー源食品 | 穀物 | 全がゆ90〜柔飯80g |
ビタミン・ミネラル源食品 | 野菜・果物 | 30〜40g |
タンパク質源食品 | 魚・肉 | 15g |
豆腐 | 45g | |
卵 | 全卵2分の1個 | |
乳製品 | 80g |
パクパク期ってどんな時期?
最後の4ステップ目、パクパク期(1歳〜1歳6ヶ月ごろ)の説明をしていきます。
パクパク期とは、離乳食を手掴みとスプーンを使って自分で食べる時期のことです。
赤ちゃんの「自分で食べたい!!」という意欲がとっても高まるのですね!
舌の動きは自由自在ですが、まだ噛む力は弱いです。
発達に合わせて硬さや大きさ、食感を楽しめる様にして、噛む力の調整力を身につけられる様に工夫しましょう。
ほとんどの食材が使える様になるので、大人の料理を薄く、柔らかくして取り分けることもオススメです。
ご飯、汁物、おかず、副菜の一汁二菜の献立も作りやすく、栄養も整い、調理も楽になりますね!
「パパさんママさんと一緒の食卓」で嬉しい気持ちが、赤ちゃんの食欲にもつながります。
うまく口に運べないということもまだまだありますが、うまくできた時には褒めてあげましょう!!
タイムスケジュールはこちら
7:00 | 離乳食 |
10:00 | おやつ+🍼(牛乳) |
12:00 | 離乳食 |
15:00 | おやつ+🍼(飲み物) |
18:00 | 離乳食 |
手掴み食べを多く取り入れる様にしながらも、スプーンを持ちたがったら持たせて大丈夫です!
一度にお口に詰め込みすぎたり、こぼしたりすることもありますが、だんだんと一口の量がわかってきます。
ママさんパパさんは、タイミングを見てスプーンをお口に運んであげる程度でokです!
パクパク期に入るタイミングは?
離乳食最後のステップ、パクパク期へ入る目安は1歳~1歳6ヶ月ごろです。
そのほかの目安はこちら!
- あんよができる様になっている
- スプーン・フォークを使おうとしている
- 下が自由自在に動く
- 1歳になり上下の歯が生えてきている(生え揃う)
食べて良いものと悪いものは?
ほとんど大人と同じものを薄味や硬さの調整などで食べられる様になりますが、以下のものには気をつけましょう。
食べて良いもの
- 薄味で食べやすく調理すればほぼ大人と同じ食材が食べられる
- 揚げ物はフライや天ぷらも ok
- ハチミツや黒砂糖は1歳以降から
食べてはいけないもの
- 刺身
- おもち
- ごま
- ナッツ類
塩分や脂肪分、糖分の多い食品はやめましょう。
ミルクと離乳食の栄養のバランス目安ってどうなるの?
パクパク期のミルクと離乳食の栄養の割合は母乳・ミルク:離乳食=2:8です。
大半の栄養を離乳食から摂れるようにしていきます。
離乳食はカミカミ期の終わりと同じく1日3回、そしておやつを取り入れて栄養の8割を離乳食から摂っていきます。
この時期のミルク(または牛乳)は1日300〜400㎖が目安となります!
パクパク期の1日あたりの目安とは?
パクパク期の1日あたりの目安はこちらです。
エネルギー源食品 | 穀物 | 柔飯90g〜ご飯80g |
ビタミン・ミネラル源食品 | 野菜・果物 | 40〜50g |
タンパク質源食品 | 魚・肉 | 15〜20g |
豆腐 | 50〜55g | |
卵 | 全卵2分の1個〜3分の2個 | |
乳製品 | 100g |
また、幼児食へ入る目安は離乳食完了~3歳頃までの間です。
- 必要な栄養のほとんどを食事から摂っている
- 前歯でかみきり、歯茎で噛んで食べられる
- コップで飲み物を飲める
これらの様子がお子さまにみられたら離乳食を終了し、幼児食に入っていきます。
まとめ
いかがだったでしょうか。
長い時間をかけて、お子さまの発達合わせて食べ物に慣れていくことを説明していきました。
食べる様や調理方法が細かいので、パパさんママさんもとっても調理が大変かと思います。
調理を頑張りながらも、時にはスーパーで売っている、既製品の離乳食にしてしまおう!と
パパさんママさんがストレスを溜めずにいることもとっても大切です。
長期的に向き合っていく分、長く向き合える様に頑張りすぎないことも必要かもしれませんね!
ぜひお力になれたら幸いです。