【葉酸・風疹ワクチン】赤ちゃんを守るために妊娠前からすべきこと

「そろそろ子どもが欲しいなぁ」と思っても、

「もし自分に子どもができたら、赤ちゃんは健康に生まれてくるだろうか…?」

と不安に思われた経験はありませんか?

産まれてくる赤ちゃんの身体を守るために、「妊娠前からできること」があります。
今回は、以下の2つについて詳しく解説していきます!

  • その1 葉酸サプリメントをとる
  • その2 風疹の予防接種をうける

☆現役助産師☆なっちゃん

インターネットには様々な情報があり、何が正しいのか不安になりますよね!現役助産師の視点から、エビデンスを元に解説していきます!

監修医師:新百合ケ丘総合病院
不妊専門医 原周一郎 

その1:妊活を始めたら葉酸サプリメントをとろう!

1つ目の「妊娠前からできること」とは「葉酸サプリメントをとること」です。

葉酸サプリメントに関する以下の疑問を、詳しく解説していきます!

  • なぜ葉酸を摂ることが必要?
  • 摂取するタイミングは?
  • なぜサプリメントが良いの?
  • どんなサプリメントが良いのか?

なぜ葉酸を摂ることが必要なの?

その理由は、赤ちゃんの脳や脊髄などの身体がつくられる妊娠初期は「葉酸」が必要になるからです。

この妊娠初期は、とても大切な時期になります。
葉酸が不足してしまうと、神経管閉鎖障害(無脳児や二分脊椎など)の先天異常の可能性が高くなるといわれています。

先天異常のリスクを下げるために、葉酸を摂ることが大切になります。

摂取するタイミングは?

先天異常学の調査研究を行っている日本先天異常学会では、葉酸を摂取するタイミングについて以下のように記述しています。

妊娠を計画している女性、または妊娠中と考えられる女性が、妊娠前4週から妊娠12週までの期間、葉酸サプリメントによって毎日葉酸を0.4mgを摂取すると、お子さんに神経管閉鎖障害が起きるリスクが低下します。

 (出典:http://jts.umin.jp/new/JTS_message2018_j.pdf

そう言われても、「妊娠前4週を予測すること」なんて難しいですよね…!

ですので、妊娠を考え始めてから妊娠12週までの期間は、葉酸サプリメントをとるようにしましょう。

☆現役助産師☆なっちゃん

葉酸サプリは、「妊娠を考え始めたら摂取する!」と考えてOKです!

なぜサプリメントなの?

一般論から考えると、
「葉酸はサプリメントからではなく、食材から摂った方が良いのでは?」
と思いますよね。

確かに葉酸は、ほうれん草やモロヘイヤなどの緑黄色野菜にも含まれています。
しかし、緑黄色野菜に含まれている水溶性ビタミンは加熱処理に弱いため、日本人の食生活では不足しやすいと考えられています。

☆現役助産師☆なっちゃん

忙しい毎日の中で、沢山の野菜を用意し食べるのも大変ですよね。サプリメントで手軽に葉酸を摂取しましょう!

どんなサプリメントが良いの?

サプリメントには色々な種類がありますが、葉酸のみが含まれていれば大丈夫です。

サプリメントによっては大きさや匂いに違いがありますので、自分が飲みやすいと思うものを選びましょう!

その2:妊娠前に風疹の予防注射をうける

2つ目の「妊娠前からできること」は「風疹ワクチンを受けること」です。

以下のことについて詳しく解説していきます!

  • 風疹とはそもそも何か
  • 妊娠中に風疹にかかるとどうなるのか?
  • なぜ妊娠前に受ける必要があるか?
  • 予防接種の流れ
  • 既に妊娠している場合はどうすれば良いか?

風疹とは?

風疹とは、風疹ウイルスによって引き起こされる病気です。

風疹の主な症状は、発疹、発熱、リンパ節の腫れです。
感染しても、症状が出ない場合もあります。

2018年から2019年にかけて、風疹は流行の兆しをみせていますので、
予防するためにもワクチンを接種することが大切です。

なぜ妊娠前の予防接種が必要?

なぜ「妊娠前」に予防接種が必要かというと、妊娠中は生ワクチンの接種ができないからです。

風疹ワクチンは生ワクチンですので、妊娠中に風疹ワクチンの予防接種を受けることはできません

妊娠中は、抗体がなくても風疹ワクチン接種ができませんので、安心した妊娠生活を送るためにも妊娠する前に抗体の確認と風疹ワクチン接種をしておきましょう。
妊娠適齢期にある女性は、妊娠を今すぐに考えていなくても接種しておくことをおすすめします。

MEMO
生ワクチンとは、病原体となるウイルスや細菌の毒性を弱めて作られたワクチンです。

無料で抗体検査と予防接種ができる自治体がある!

地域によっては、無料で抗体検査と予防接種ができる自治体があります。

自治体のホームページや居住地の保健所に問い合わせすることをおすすめします。

妊娠中に風疹に感染してしまうと

妊娠20週頃までの妊婦が風疹に感染してしまうと、
胎児にも感染し「先天性風疹症候群」の赤ちゃんが産まれる可能性があります。

「先天性風疹症候群」とは、胎児が風疹ウイルスに感染し「目が見えにくい」「耳が聞こえにくい」「生まれつき心臓に病気がある」「発達がゆっくりしている」などの障がいをもち生まれてくる場合をいいます。

妊婦が風疹に感染し、赤ちゃんが「先天性風疹症候群」の障がいを持つことのないように、
またそのような心配をしながら妊娠を続けることのないように、あらかじめ予防することが必要です。

妊娠20週以降に感染した場合は、赤ちゃんへの影響はほとんどありません。

予防接種の流れは?

妊娠適齢期の方は自分が感染しないために、予防接種が必要になります。

実際の予防摂取の流れは、以下のようになります。

STEP.1
過去に予防接種を受けたことがあるか調べる

まずは母子健康手帳を確認しましょう!母子健康手帳に記録がない人や、母子健康手帳が見つからない人は、病院での抗体検査を受けてください。

STEP.2
抗体を持っているか検査をする
採血で簡単に検査をすることができます。
STEP.3
抗体がない場合は予防接種を行う(妊娠している場合は出来ない)
施設によっては、採血結果は後日聞きに行く必要があります。抗体がない場合は、結果を聞いた時に予防接種ができますので、体調のいい時に聞きに行くことをおすすめします。
STEP.4
予防接種後2か月は避妊
厚生労働省では、風疹ワクチン接種後2か月程度は避妊するように定めています。

すでに妊娠している場合はどうすれば良い?

妊娠初期の検査項目に、風疹抗体検査があります。

抗体がないという結果であれば、以下のことを気をつけるようにしてください。

  • 人混みに近づかないようにする
  • うがい手洗いなど、一般的な感染予防対策を徹底する
  • 居住している家族の方は、なるべく早く予防接種を受ける

産後は、次回の妊娠に向けて予防接種をすることをおすすめします。
授乳中でも予防接種が可能ですので、入院中に接種して退院するといいでしょう。

☆現役助産師☆なっちゃん

赤ちゃんの身体を守るためにも、「子どもが欲しい」と思ったらまず風疹ワクチンを受けるようにしましょう!

まとめ

いかがだったでしょうか。今回は妊娠前からできる、赤ちゃんを守るための準備について解説しました。

今回のポイントをもう一度振り返りましょう!

葉酸について

  • 脳や脊髄など赤ちゃんの身体がつくるられる妊娠初期は「葉酸」が必要
  • 妊娠を考え始めたタイミングで摂取する!
  • 食材ではなく、サプリメントで摂る

風疹ワクチンについて

  • 風疹とは、風疹ウイルスによって引き起こされる病気
  • 妊娠中に風疹ワクチンの予防接種を受けることはできない
  • 子どもが欲しいと思ったら風疹ワクチンを受けることが大切!

☆現役助産師☆なっちゃん

「子ども産む」ことに対して、様々な不安をお持ちの方は多くいらっしゃると思います。安心した妊娠生活を送るためにも。正しい知識を得て、赤ちゃんのためにできることを行うことが大切だと思います。この記事が参考になりましたら幸いです!

 

また、今回紹介したこと以外にも、こちらの記事では様々な疑問について解説していますので、合わせてご覧いただけますと幸いです。
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